なぜ美しい部屋には“暗がり”があるのか?照明で整える
部屋をおしゃれにしたいのに、どこか野暮ったく見えることはありませんか。その原因は、家具や雑貨の量だけではなく、照明の当て方にあるかもしれません。
部屋全体を明るくしすぎると、光と影の差がなくなり、空間がのっぺり見えやすくなります。照明で余白をつくるとは、ただ暗くすることではありません。
見せたい場所に光を当て、見せなくてよい場所にはあえて影を残すことです。
この記事では、照明で空間に余白をつくるための考え方、色温度、配置距離、器具選びのポイントを、初心者にも分かりやすく解説します。
目次
余白のある部屋は「明るくしすぎない」ことから始まる
おしゃれな部屋に見せたい時、つい照明を明るくしすぎてしまうことがあります。
しかし、部屋全体を均一に照らすと、影が消えて空間に奥行きが出にくくなります。
余白を感じる部屋にしたいなら、まずはメイン照明の明るさを少し落としましょう。
目安は、シーリングライトの明るさを30〜50%程度に絞ることです。
そのうえで、フロアライトやテーブルランプを足すと、光に高低差が生まれます。
「全部を明るくする」のではなく、「見せたい場所を照らす」と考えるのがポイントです。
部屋の中にあえて暗い場所を残す
余白のある空間には、明るい場所と暗い場所のメリハリがあります。
部屋の四隅すべてを明るくする必要はありません。
リビングなら、アート、観葉植物、ソファまわりなど、見せたい場所を1〜2か所に絞って照らすとまとまりやすくなります。
何も置いていない壁や、見せたいものがない場所は、あえて暗めに残しても大丈夫です。
この「照らさない場所」があることで、照らしたものがより美しく見えます。
光の色は2700K〜3000Kに
部屋の雰囲気を整えるには、光の色をそろえることも大切です。
色温度とは、光の色味を表す数字です。
数字が低いほどオレンジ色に近く、数字が高いほど白く青みのある光になります。
余白のある落ち着いた空間をつくるなら、2700K〜3000K前後の電球色がおすすめです。
リビングや寝室、ダイニングなど、くつろぎを重視する部屋では、温かみのある光がよく合います。
反対に、白い光とオレンジ色の光が同じ部屋で混ざると、空間がちぐはぐに見えやすくなります。
複数の照明を使う場合も、できるだけ同じ色温度でそろえましょう。
テレビやモニターまわりは光の映り込みに注意
現代の部屋では、テレビやパソコンのモニターも大きな光源になります。
そこに照明の光が映り込むと、視覚的なノイズになり、落ち着かない印象になります。
テレビやモニターまわりでは、画面に直接光を当てないようにしましょう。
おすすめは、画面の背面や横に弱い間接照明を置く方法です。
画面まわりの明暗差がやわらぎ、目の疲れも軽減しやすくなります。
ただし、明るすぎるライトを置くと逆に気になるため、弱めの光を選ぶのがポイントです。
拡散光と集光を使い分ける
照明は、光の広がり方によって印象が変わります。
広くやわらかく照らす光を「拡散光」、狭い範囲を集中的に照らす光を「集光」と考えると分かりやすいです。
- 拡散光:壁や空間全体をやわらかく照らしたい時
- 集光:アート、植物、テーブル上など主役を見せたい時
壁を広く明るく見せたい場合は、拡散する光が向いています。
一方、絵画や観葉植物などを引き立てたい場合は、15〜30度くらいの狭い角度で照らすスポットライトが使いやすいです。
ルーメン数だけで選ぶのではなく、光がどう広がるかも確認しましょう。
フロアライトは部屋の隅に置く
空間に奥行きを出したいなら、部屋のコーナーにフロアライトを置くのがおすすめです。
特に、入口から一番遠い隅に光があると、視線が奥へ抜けて、部屋が広く見えやすくなります。
6畳のワンルームや寝室でも、部屋の隅に1つフロアライトを置くだけで印象が変わります。
ただし、照明の周りに物が多いと、せっかくの光が埋もれてしまいます。
フロアライトの周囲50cmほどは、できるだけ物を置かないようにすると、余白がきれいに見えます。
眩しさを防ぐ器具を選ぶ
余白のある部屋をつくるには、光の眩しさを抑えることも重要です。
電球が直接目に入る照明は、光が強く感じられ、落ち着きにくくなります。
ダイニングやソファ横など、目線に近い位置に照明を置く場合は、深いシェードや乳白色ガラスの照明を選びましょう。
光源が隠れることで、眩しさがやわらぎ、空間に静かな雰囲気が生まれます。
透明ガラスや裸電球のデザインはおしゃれですが、座った時に光源が見える位置では注意が必要です。
器具はマット素材や細いデザインを選ぶ
照明で余白をつくる時は、器具そのものの存在感も控えめにするとまとまりやすくなります。
派手な装飾や光沢の強い素材は、空間のノイズになりやすいです。
おすすめは、マット塗装、陶器、和紙、布など、テカりの少ない素材です。
黒いアイアン家具がある部屋なら、照明のフレームも黒でそろえる。
オーク材のテーブルがある部屋なら、木目やベージュ系の照明を合わせる。
このように、照明の色や素材を家具・建具とリンクさせると、空間に自然になじみます。
色数は3色程度に抑えると、余白のある落ち着いた部屋に見えやすくなります。
安全のためLEDを選ぶ
フロアライトやテーブルランプを壁際、カーテンの近く、ベッドサイドに置く場合は、安全性にも注意しましょう。
白熱電球は熱を持ちやすいため、布や壁に近い場所では火災リスクがあります。
基本的には、発熱の少ないLED電球を選ぶのがおすすめです。
また、器具ごとに使えるワット数が決まっています。
指定ワット数を超える電球を使うと、シェードが焦げたり故障したりする可能性があります。
購入前に、対応ワット数や調光器対応の有無も確認しましょう。
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余白のある空間をつくるには、照明のデザインだけでなく、光の広がり方、素材感、サイズ感まで考えることが大切です。
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賃貸でもできる余白照明のレイアウト
賃貸でも、工事なしで光と影のある空間はつくれます。
大切なのは、置き型照明や後付け照明を上手に使うことです。
ダイニングは天板から60〜70cmに吊るす
ダイニングのペンダントライトは、吊るす高さで印象が変わります。
目安は、テーブル天板から60〜70cmです。
この高さにすると、料理やテーブル面に光が集まり、天井側にはほどよい暗がりが生まれます。
高く吊るしすぎると光が散らばり、空間が間延びして見えることがあります。
間接照明は壁から10〜15cm離す
間接照明は、壁との距離が近すぎると光が線のように強く出てしまいます。
やわらかいグラデーションをつくるには、壁から10〜15cmほど離して置くのがおすすめです。
テレビ裏や壁際に照明を置く場合も、少し距離を取るだけで光の広がり方が変わります。
寝室のフロアライトは周囲をすっきりさせる
寝室では、フロアライトのまわりに物を置きすぎないことが大切です。
照明の半径50cm以内をすっきりさせると、光の輪郭がきれいに見えます。
ローベッドのある寝室では、部屋の隅にフロアライトを1つ置くだけでも、静かで落ち着いた雰囲気がつくれます。
やりがちな失敗と回避策
照明で余白をつくる時は、次の失敗に注意しましょう。
- シーリングライトを常に全開にする
- すべての壁を均等に照らす
- 器具のデザインが重すぎる
- 光の色がバラバラになる
- ペンダントライトを高く吊るしすぎる
- 照明の周りに物を置きすぎる
- ルーメンだけで選ぶ
- 電球が直接見えて眩しい
- 照らす対象がない壁に光を当てる
- 間接照明を壁に近づけすぎる
すべてを完璧に変える必要はありません。
まずは、シーリングライトを少し暗くし、部屋の隅にフロアライトを1つ置くことから始めるだけでも、部屋の印象は変わります。
まとめ|照明で余白をつくるには、光と影をコントロールする
照明で空間に余白をつくるには、ただおしゃれな器具を買うだけでは不十分です。
大切なのは、光を当てる場所と、あえて影にする場所を決めることです。
まずは、シーリングライトの明るさを30〜50%に落とし、部屋の中に暗い場所を残しましょう。
そのうえで、アート、植物、ソファまわり、ダイニングテーブルなど、見せたい場所に光を足します。
最後に、配置距離も大切です。
間接照明は壁から10〜15cm、ペンダントライトは天板から60〜70cmを目安にすると、光と影のバランスが整いやすくなります。
迷った時は、次の順番で確認してください。
- シーリングライトを30〜50%に落とす
- 見せたい場所を1〜2か所に絞る
- 光の色を2700K〜3000Kに統一する
- フロアライトを部屋の隅に置く
- 眩しくない深いシェードを選ぶ
- 器具の色を家具や建具と合わせる
- 壁から10〜15cm、天板から60〜70cmを守る
このポイントを押さえるだけで、今の部屋でも余白のある、落ち着いた空間に近づけます。